━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   □■□ あなたには、サポーターがいますか? □■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━        *謹賀新年。2011年、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 すごい降雪の大寒波とカラカラの乾燥の日々ですが、体調はいかがですか? インフルエンザやノロウイルスが猛威をふるってますので、ご自愛下さいますよ うに。昨年末は29日まで顧問先でのカウンセリング外来を行い、31日には経 営者への申送り会議でした。キャリア30年の中で、大晦日までの業務は初めて の経験でした。年明けて仕事始めは宿泊出張で既に数回の研修講義もあり、今年 も多忙な日々になりそうです。働けることに感謝しながら体調管理をしっかりし ていきたいと思っています。年々増加する顧問契約先に全力で対応できるように 、自己研鑽を積み上げながら頑張っていく決意です。 *私の顧問先では、厚生労働省版「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト 」に食事の摂取状況や睡眠状態・アルコールやたばこ・身体症状の有無を入れた 生活習慣アンケートを追加して全社員に配布しています。守秘義務を守りながら 配慮のある回収を行い私の元に届けられ、全リストの精査を私自身が行っていま す。そのフィルターの中で、何らかの有所見がある社員の方々からカウンセリン グを実施しています。 蓄積疲労や精神疾患の早期発見と早期治療には最重要なことだと確信しているの で、膨大な数にはなりますが必ず私が精査しています。手にした一枚一枚のチェ ックリストからは、社員の方々の心痛や過労状態の叫び、職場の現況が見えてき ます。    *生活習慣の設問に、○運動もしくは趣味をしていますか(→ストレス発散をし ているかどうか)○自身のことを何でも話せる人はいますか(→サポーターがい るかどうか)があります。「人は底知れない孤独感の中で、死ぬことを考え、煮 詰めていく」これは何度も自殺未遂の現場に駆けつけた私の持論です。だから、 何でも話せる人がいるかいないかは、命を守る重要な設問なのです。  今までに膨大な数のチェックリストを拝見し、見えてきたものがあります。 それは、ストレス発散を何もしていない人は、何でも話せるサポーターがいない という事実です。その逆もまた真実で、この二つには強い相関関係があるという ことです。 更にそういう方々は、睡眠状態も悪く自律神経失調の身体症状が多数あり、疲労 蓄積の自覚症状の点数が高いという現実です。また欠食があったりアルコールや ニコチン過多の傾向が散見されます。臨床現場では、やっぱりなと納得する内容 でもあります。   *同じ性格気質の人がABふたりいるとします。Aさんは元気に働いてますが、 Bさんはメンタル疾患になっていきました。このふたりには何が違っていたので しょうか。それはたったひとつ、Aさんには何でも話せる友人や親がいた、とい うことだけです。NIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)の職業性ストレスモデ ルで示されている、緩衝要因⇒上司・同僚・家族からの社会的支援があるかない かということです。 *ストレスコントロールで大切なことは「悩みを頭の外に出す、身体の外に出す 」ということです。ひとりで考えていると考えが空回りしたり、とらわれの心で まとまらなくなったり、余計な不安が増えていったりします。悩みを脳の外に出 すことが重要なのです。  その為には、・話して相談すること・文章にして書き出してみること・泣いて 涙と共にストレスを流してしまうこと・発汗してストレス発散することが有効で す。  とりわけ話すという行為は、受容や共感をされて、感情のカタルシスになりま す。カタルシスとは精神分析の用語で、抑圧されて無意識の中にとどまっていた 精神的なしこりを、言語・行為・情動として外部に表出することによって消散さ せようとする精神療法の技術です。また、今どうすればいいかの知恵を得たり、 悶々と悩んでいた事への方向性が見えてきたり効果絶大です。 *若い世代とカウンセリングをして「何でも話せる人はいる?」と聞くと、考え る間もなく多くの人達に「いません!」と即答されてしまいます。そんな若者達 には、「この1年で何でも話せる人をひとりは作っていこうよ、それが出来る位 のコミュニケーション能力は自分でつけていこうよ」と指導しています。人間関 係は親や会社が作ってくれるものではありません、自分で作っていくものなので す。それを教示しながら成長支援をしています。 貴方は自身のことを何でも話せる人はいますか? 貴方の命を守るために。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━