━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□ 組織で取組むメンタルヘルス             〜病院組織にこそメンタルヘルス対策を □■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━        ◇職場としての病院組織    私は産業カウンセラーとして、企業・官庁等多くの組織でメンタルヘルスケアの セミナーや顧問先でのカウンセリング、経営に関するコンサルティングを行って います。病院でのセミナーの際、私は必ず最後にこんな声かけをします。「看護 師だって人間だもの、泣いたっていい!疲れた、辛い、と言ってもいいんだよ」 「もうそれ以上頑張らなくてもいい、早めに相談して下さいね」と。 厳しい勤務体制の中で積み上げられていく過度の疲労、それでも責任感旺盛な医 療従事者は、高いモチベーションで激務を乗り越えていく。でも、もう医療現場 は限界を超えています。緊急事態が多発する現場で、診療や手術等気の抜けない 仕事に追われていて、どうしても患者さんやその家族に注意が向けられます。気 遣い満点のプロ集団でも、あまりの忙しさにスタッフ同士のこころと身体の変化 には気づきにくくなり、どうしても見逃してしまいます。個人に発現するメンタ ルダウンは、個々の特殊な事例では決してありません。今こそ経営マネージメン トとして病院組織として取組むべき最重要課題なのです。過日伺った病院の理事 長は、「看護師という専門職なのだから自分の健康管理は自己責任があたり前、 それができてこそ看護師だろう。」また別の病院の看護部長は、「優秀な人材が 集まる病院で、心がガラス細工のような職員がいるはずがないという信じられな い文化があるようです。」と仰っていました。過去に成立していたマネージメン ト、即ち個人の頑張りに支えられての病院経営は、もはや通用しなくなってきて います。心の病労災最多・自殺者10年連続3万人を上回る等々悲惨な現実の中で、 社会全体でメンタルヘルスケアの重要性が叫ばれています。病院だけは別格、で はないはずです。病院も職場である以上、組織全体でメンタルヘルスケアに取組 むべきだと、私は危機感をもって訴え続けています。特に医療従事者は一般の方 々に比べると、自身のメンタル不調を受け入れ、認めることが苦手のようです。 そして絶対に周囲には知られたくない、の感情が強いように感じます。では、具 体的にどのようにしていったらいいのか。 ◇メンタルヘルス導入方法 メンタルヘルスというのは、健康をモデルとして組織全体で、全員に教育をして いく方法で推進していくものです。有所見者や加療者だけを対象とするのではな く、一次予防の最前線なのです。 導入にあたっての注意事項としては、先ず何と言っても組織トップの理解が不可 欠です。事業者による、組織全体で心の健康づくりに取組んでいく、という方針 の表明が大前提です。次に、管理職・一般職員へとセミナーを実施しながら理解 を広めていきます。そして組織の現況把握の為に、全員対象として“労働者の疲 労蓄積度自己診断チェックリスト”(厚生労働省版別表1)を定期健康診断と同 時に実施して、身体も心も問診をとることが大切です。医療従事者のチェックリ ストの傾向としては、自覚症状の設問ではさほど高得点ではなくても、勤務の状 況についての設問で高得点が多く見られるので、総合判定での仕事による負担度 の点数が高い傾向が多々見られます。ストレス耐性やモチベーションが高く、専 門職としての知識も豊富なので各自でストレス対処はしているけれども、勤務状 況はそれでも耐えられないくらいに激務である、ということを物語っているよう に思います。配布時の広報には、快適な職場環境にする為に業務過多の軽減措置 をとる等の主旨を明確にすること、更に、調査結果については人事評価には一切 連動することは無い、を明記すべきです。この間に、担当窓口の設置や目標設定 等の体制づくりを行い、ようやく相談室の設置です。この手順を経ないでいきな り相談室を作っても誰も来談しません。また個別カウンセリングの対応者は、利 害関係の無い第三者が最適です。組織内の人には、なかなか本音は言えないもの です。私の顧問先では更に、メンタルケアの実施状況の総括と組織への改善提案 事項を、定期的に経営幹部へフィードバックしています。 ◇職場におけるストレスの原因とは何か 組織形態は多様であっても共通して最も多いストレスの原因は、何と言っても職 場の人間関係です。その人間関係の良し悪しというものは、空気に出ます。どん なにヘビーな仕事をしていても、人間関係が良い職場では空気が軽いものです。 明るい・カラッとしている・どこからか笑い声が聞こえる、そんな空気が流れて います。反対に人間関係が悪い職場は、暗い・何となく重い・湿っぽい・いつも ピリピリしているものです。皆さんの職場はいかがですか?人間関係が悪い最た るものが、パワハラ・セクハラのハラスメントです。根絶には程遠く根強いもの が多くの組織で散見されます。 次に多いストレス原因は、仕事の量=過重労働の問題です。残業が月80時間以 上は過労死ラインとして労災認定の重要な基準となっています。平成18年に改 正になった労働安全衛生法では、過重労働やメンタルヘルス対策が強化され、メ ンタル面も含んだ心身の状況を把握しなければならないという内容に変わり、長 時間労働者への医師による面接指導の実施が義務づけられています。 次いで、仕事の質=キャリアのミスマッチの問題です。本人のこれまでのキャリ アや性格気質を考慮しないで、配置転換や異動をするとメンタルダウンする場合 があります。仕事は自己表現のひとつだからです。この3大原因は、どのような 職場においてもストレス原因の上位になっています。 ◇心の健康づくり指針(メンタル指針) 平成12年に心の健康づくり指針として、4つのケア(セルフ・ライン・事業場 内スタッフ・事業場外専門スタッフによるケア)が出されました。メンタルケア で最も大切なのはセルフケアです。精神疲労の怖さは、本人が気づかないことで す。年のせいだから、残業が多いから仕方ない等々で流してしまう、だから自身 で早めに気づいて下さいということです。次項で気づく為の精神疲労のメカニズ ムを提示します。そして気づいたら早めに心療内科を受診して下さい。やはり早 期発見・早期治療が大切です。管理職においては、更にラインによるケアをお願 いしています。担当部署の中でメンタルダウンした部下が1人でも発生したら、 その職場現場の現状把握をして、必要な改善事項があれば目に見える確実な業務 軽減措置を実行して下さい。業務量がひとりの部下に偏ってはいないか、与えて いる仕事は適切なのか等々。職場の環境改善は上司にしかできません。組織にい る部下は、自分から辛いとか大変だとかは決して言えないのです。それをよくよ く理解して欲しいのです。そして、部下の相談への対応です。すべきことは、専 門家への橋渡しです。今日は疲れているようだな、今日は元気そうだな、こうい う状況のキャッチは毎日一緒にいる人にしか分かりません。不調だなと思ったら とにかく声かけをして、早めに医師やカウンセラーの専門家へつなげて下さい。 ◇精神疲労のメカニズム 精神疲労というのは、皆さんもよくご存知のように脳内疲労です。今日元気な人 が明日から直ぐに診断書が出て休職にはなりません。疲労→過労→抑うつ状態→ 精神疾患という精神疲労のメカニズムがあるのです。先ずは、疲れたなと感じま す。「疲労」の段階です。五感で疲れが感じとれる段階で、まだ正常な範囲です。 だから疲れたな、と感じていて下さいよ、感じないと危ないのです。 次の「過労」になると疲れを感じなくなります。その最悪が過労死です。日本で は脳血管疾患、虚血性心疾患が過労死として認定されます。この域まで悪化して いなくても、過労の段階では身体不調が症状として発現します。心身症と言われ ている自律神経失調からくる症状です。更にこの段階で不眠=睡眠障害が現れま す。入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠困難の症状です。大人も子供も精神疲 労は眠りに出ます。不眠の段階で早めに治療しておけば大事には至りません。私 の顧問先ではなるべく休職はさせたくないので、身体不調や不眠の段階で紹介状 を作成して外来へつなげています。不眠の定義は、眠れないことにより昼間のQ OLが低下することです。だから残業規制は大切なのです。それでも頑張ってし まうと、抑うつ状態という状態像に入っていきます。プチうつという状態です。 このプチうつになると身体不調や不眠に追加して、先ず気分障害が発生します。 通常の生活や仕事が出来なくなる位に、イライラする・不安で仕方ない・そわそ わ落ち着かない・とにかく憂うつ等々。そして更に脳が疲労困憊になると、思考 制止状態になってきます。なぜ職場でメンタルヘルスケアが叫ばれているのかは この1点に尽きるからです。即ち、脳が過労してくると集中力や思考力が低下し てフリーズしてしまうからです。積み上げてきた能力は保持されますが、効率や 能率が極端に低下してきます。そうなると仕事でミスや事故が多発して、それが 労災に直結するのです。だから組織全体で取組むべき重要課題なのです。この抑 うつ状態でも頑張ってしまうと、精神疾患の診断書が出て自宅療養=休職になっ てしまいます。 ◇脳を元気にするために 第一に、脳を休ませる為の睡眠です。質・量共に良好な睡眠の確保が必要です。 病院の勤務形態では充分にとる事は難しいかもしれませんが、何としても6〜7 時間は寝かせて下さいと私は訴えています。寝かせるためのホルモン=メラトニ ンが多く出てくる22:00~2:00の間には寝たいものです。アルコールとたばこは睡 眠を邪魔するだけですので控えて下さい。第二に、脳に栄養を入れる食事です。 脳の栄養は唯一ブドウ糖だけです。米や穀類の炭水化物を1日3食摂取していか ないと、脳へつながっていかないのです。20代は3割が朝食欠との農水省のデ ータもあります。私の顧問先で若い世代が多い組織では、半数が朝食欠の実態が あります。車で言えばガス欠状態なのにアクセル全開の脳なのです。いずれは動 かなくなります。それがうつ病等々の精神疾患だと教えています。だから朝食は 抜かないで下さい。前述の顧問先で、徹底して朝食摂取を指導したところ、約1 か月で改善の結果が出ています。何となく頭が冴えてきた、集中力が戻ってきた 等々。元々の元気な脳に戻ってきているのです。昔から言われている、食う・寝 る・遊ぶは人としての基本で、丁寧な生活の見直しが今こそ必要なのかもしれま せん。 ◇うつ病にも種類がある 時代と共に法規が変わるように、病気も多くの臨床が集められ解明が進んでいます。 うつ病といっても多くの異なるタイプがあり、対応方法や経過、見通しが全く異な ってきます。僭越にもこの話を病院ですると、すさまじい勢いでメモが開始される 光景をいくつも見てきました。防衛医科大学の野村総一郎先生によると、@メラン コリー型 A双極型 B気分変調型 C非定型 の4区分としています。@は、単 極性と言われる典型的な型で、発病は中年に多く、性格は真面目で几帳面、気配り 旺盛の傾向が見られます。この型のうつ病が、マスコミ等で広く広報されてきた感 があります。このメランコリー型のうつ病は、抗うつ薬の効きは良好で、休養と服 薬の継続と業務過多を軽減してあげれば、適切な治療の下では70%くらいが半年位で 改善し、職場復帰も可能となります。私は、医療従事者には多く見られる型だと思 っています。Aは、双極性と言われる躁うつ病のことです。発病は青年期に多く、 性格は活発で親分肌、要領がよく飽きっぽいという傾向が見られます。メランコリ ー型より若干改善しにくいですが、感情調整薬が適切に作用した場合は軽快する場 合もあります。ただ再発率は高いです。躁うつ病の場合、患者さんは辛いうつ状態 の場合にだけ受診して、そう状態の時は治ったと思い受診しないので、産業カウン セラーとしては職場での様子を主治医へ情報提供して再度の診断をいただく場合が 多々あります。Bは、抑うつ神経症と言われていた型です。うつは軽症なのですが、 慢性的なうつ状態が2年以上続く型です。発病は青年期が多く、性格は神経質で過 敏、不安にとらわれやすい傾向が見られます。Cは、典型的でないという意味で非 定型と言い、過眠や過食が見られ、そう状態があることが多く、発病は青年期で、 性格は人間不信や攻撃的な傾向が見られます。BとCは、現代の若者に多く見られ る型で、どちらも抗うつ薬の効きは悪く、現段階で有効性の高い治療薬は未だ無い ので難治化しやすく臨床心理的なアプローチが主となります。またどちらも、もと もとの社会適応の水準は低いために、復職支援が長引く場合が多いです。現代の若 者に多いうつとして、軽症うつも知っておかなくてはなりません。つまり若者に多 く見られるプチうつ、です。大阪樟蔭女子大学大学院の夏目誠先生によると、職場 不適応症や自己愛の傷ついた場合に発症するうつ状態があります。前者は、嫌なこ と大変なこと=仕事をしたり人間関係が大変になるとうつ状態になるパターンです 。これはうつ病ではなく、職場に適応できない自分が情けなくて2次的にうつ状態 になるだけで、こころのエネルギーはそれなりにあるので、好きなことはできるし 休日は楽になるのです。仕事への不安や恐怖がとても強いために何とか逃げたい、 なので復職が長引く、という悪循環が繰り返されます。ストレス耐性が乏しく、脆 弱で、傷つき易く、回復力が弱く、他責の傾向を多く見ます。毎日多人数、このパ ターンのうつ状態に会います。こういう方々には、簡単な仕事をさせて評価して成 功体験を積ませていく、失敗しても適切に処理すれば挽回できることを教えていく、 できることからコツコツやる大切さを教えていく、という仕事をする上での基本姿 勢を徹底的に教育する必要があります。後者は、自己愛の傷つく場合だけうつ状態 になるパターンです。少しでもプライドを傷つけられるような言葉や状況に対して 過敏に反応してしまうのです。もともと仕事熱心ではなく、ルール嫌い、自己中心 的、とにかくプライドが高く情緒不安定の傾向があります。本質には自己愛性パー ソナリティー障害が背景にある場合があります。こういう方々には、組織の中で働 くという常識的なものや躾教育をしていかないと、周囲が巻き込まれて疲弊してし まいます。今職域では、うつ病とうつ状態の混同による対応の混乱が見られます。 組織でのメンタルヘルスケアの判断基準は、働けるかどうか、です。様々な症状が 出て辛いのであれば治療をしていく、入院をして治療に専念すれば良いのです。ま た周囲に迷惑をかけている場合には、精神疾患に罹患している以前の、本人の性格 気質の問題として就業規則で厳格に対応していくべきだと指導しています。 ◇復職支援のポイント 平成16年には「心の健康問題により休業して労働者の職場復帰支援の手引き」が 公表されています。精神医学には2種類の診断書があり、休職の前に出す病気休業 診断書と、復職する前に出す職場復帰可能診断書です。この復職可能診断書が無い まま復職をさせると危険です。自殺未遂や既遂が多いのは復職後、復職したのにえ っ?という時期が多いからです。身体と思考が少しずつ動き始めた時に不幸は多い のです。主治医からの復職可能診断書を受けて、本人と面談をして、復職支援プロ グラムを作り、最終的な職場復帰の決定は事業者がしていくのです。病気の症状の 改善と業務遂行能力の改善には、半年位のズレがあります。なのでその期間は、6 〜7割位の思考力に見合った業務の軽減措置をとる必要があるからです。職場復帰 は原則として元の職場です。慣れている業務や人間関係の方が負荷軽減になるから です。しかし、パワハラ等で精神疾患になった場合、私の顧問先では人事と調整し て復帰先から配置転換先の新しい職場としています。またその上司のマネージメン トを再教育していかないと、再度の犠牲者が発生する恐れがあります。復職支援プ ログラムとしては、いきなり8時間勤務は無理なので、半日を2週間→6時間を2 週間→再度の面談を入れて症状確認をしてから8時間勤務、という段階的なプログ ラムを指導しています。業務内容も、最初から以前のような仕事ではなく、軽めか ら2〜3ケ月を目安に段階的なステップで提示してあげて下さい。 ◇部下への気配り・気づき・声かけを 気配りは言葉よりも非言語的情報に注目して下さい。即ち、眼の輝き・服装のくず れ・表情・日常的な挨拶の様子・ボンヤリ等々です。部下の「いつもと違う」に気 づくことが大切なのです。そのためには、「いつも」を知っておかなくては小さな 変化に気づきません。元気な時の彼女はこんなふうだよね、を知らないと見逃して しまうのです。年に数回、職場での未遂や既遂で緊急対応依頼があります。未遂の 現場ではいつもいつも、本人が圧倒的な孤独の中にいます。たったひとりぼっちに なってしまった、と感じて死を見つめていきます。既遂の現場では、ポストベンシ ョンという支援を行います。遺された人々に及ぼす心理的影響をできる限り少なく するためのケアですが、ご不幸が発生してしまった組織には共通するものがありま す。それは、現場で働く人達の本当の姿を経営幹部が知らない、見えていない・見 ようとしない、人に対する気遣いが全く感じられない、責任を取る人がいない、す さまじいいじめやパワハラ・セクハラが横行していても誰も何も言えない、等々で す。悲惨な不幸はこうした組織で起こるべくしておきる、が私の持論です。組織で の不幸は激震となって、甚大な影響を全員に与えるのです。こういう悲惨な現場に なる前に、誰かが気がついて欲しい、誰かにSOSを出してもらいたい、と切望し ます。また職場では勤怠状況に出るものです。抑うつ状態になってくると遅刻や早 退、欠勤が増えてきて、表情に活気がなくなり、ミスや事故が多発します。そんな 部下があなたの周りにいませんか?小さな変化に気がついたら、ためらわずに声を かけて下さい。心配しているよ、というメッセージを届けてあげて下さい。その時 点では返答はなくても、どうにもならなくなった時には声かけしてくれた事を思い 出し、何かのメッセージを出してくれるものです。上司からする挨拶というのは、 部下がするそれとは意味が違います。返ってくる声の音色に、ものすごいこころと 身体の情報がてんこ盛りになっているのです。だから上司から挨拶をして、その最 新情報を毎日キャッチしてみて下さい。そんな誰でもできる簡単なことから、メン タルヘルスケアは始まるのです。部下に対する「ありがとう」「ご苦労さま」「お 疲れさま」という労いの言葉が自然と出てくる、人間性豊かな上司になっていきた いものです。人間関係が良好になると、こちらの意向がすみずみまで届きますから、 結果として上司自身が楽になり余裕が出てくるものです。少し深呼吸、してみませ んか? ◇初めの一歩を一緒に踏み出しましょう 私の病院でのセミナーを聞いて、多くのエールを頂戴しました。「もうこれ以上が んばらなくてもいい、という言葉を職員に投げかけてくれて本当にありがたかった です。救われた職員も多くいたと思います。」「メンタルヘルスは、今まで当病院 が考えてこなかった部分でした。でも、現場は必要性を実感しています。これを機 会に職場が少しずつ変わっていくといいなと思っています。」「指導的立場の医師 から、新人にミスが目立つのは疲労と睡眠不足があるのではないか?プチうつにな りはしないか?大丈夫なのか?と今までに聞いたことがない言葉が出てきています 。」「師長もスタッフの様子が大変気になり、早く手を打たねば、休ませないと、 と言ってました。大きな前進です。ありがとうございました。」「今日も講演の話 が出ました。新人看護師のミスやエラーは、過度のストレスや緊張、課題過多が要 因で、本当のケアができていないのではないかと。」「自分では気づかなかったけ ど、とことん疲れているのだと気づきました。」「話を聞いて自分を知ることがで きました。元気になれた気がします。」「イライラしている部下の対応に悩んでい ましたが、どうすればよいのか、が分かりました。元気を一杯、いっぱいもらいま した。」等々。本当に有り難いことです。医療従事者の皆さんは、“わかっている よ、それでいいんだよ”と少しだけ後ろからそっと支えてあげれば、自分で自力で 解決方法を実践していける人達です。一緒に、最初の一歩を踏み出してみませんか ?どうか、お元気でいらして下さいますように。少しでも参考になれば幸甚です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━