━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━           □■□ 2007 November □■□       〜職場のこまったさん達〜  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━        *ここ数年は秋を楽しむ間も無く、いきなりの木枯らしや吹雪で冬将軍の到来 が早いように感じます。そんな寒気の中で、家の庭に植えてあるバラが小さ なつぼみをつけてていたんです。もうびっくり!寒かろうと手折って温かい 家に入れたら、硬いつぼみは次第に咲き始めて、こんなに小さいのにバラの 芳香が部屋中に広がるくらいです。ホッとする嬉しいことが、私達の周りに は転がっていますよね。 *こまったさん−こういう方々は、職場でもどこでも良く見られますね。職場 で多く散見される方々には不思議と共通の傾向があるように思います。 ・自分はこんなに能力があるのに、会社の評価が低すぎる ・能力を生かす仕事を与えられていない ・自分がした仕事が一般基準よりも劣っていることを、本人だけが知らない ・何でもかんでも周りが悪い、他責が強い ・いつも満足することは無く、常に不満で仕方がない ・自分が周囲からいつもちやほやされていないとイヤ ・被害者意識が強い ・本音で語れる人間関係が築けない ・感謝する、ということがない ・自分は万能でスペシャルで、何でも出来る人間だと思い込む 等々 *こういう困ったさん達は、勝手に凹んだりぶち切れたりして、必要以上に脳 に負荷をかけていくものだから、脳が疲労しやすくなり、精神疾患を発病し やすいのです。そしてこういう人達に限って、精神疾患を盾に「私はうつな んだから大切にしてもらわないと」とか、いつまでも「ああでもない、こう でもない」と職場の上司や同僚を巻き込んでいくのです。 本当に性質(たち)が悪い。 *私はこういう困ったさん達には、断固立ち向かっていきます。職場でのメン タルヘルスケアの判断基準は<働けるかどうか>なのです。精神疾患である ならば、他の疾病と同じように治していけばいいのです。でも現実には、疾 病が有るか無いか以前に、働く意志が有るかどうか、を問いただす必要があ る人達があまりにも多い。元々初めから働く意志が無い困ったさん達が多い、 これが毎日繰り返される現場です。 *私は、そういう方々を見ていると、真剣にうつと闘い自分と真摯に向き合っ て何としても治したい、早く職場復帰したい、と願って闘病している方々に 対して失礼だと思います。働かなくても食べていけるなら退職も選択肢では ないですか、と話しをします。が、決して辞めることはありませんね。 また、のらりくらりが始まります。でも、私は決して諦めません。働く意志 を確立する援助をしていきます。どうしたら本人が周囲とより良い関係が築 けていけるか等々を、真剣にアドバイスをし、時には喝を入れながら指導す る場面が多々あります。 *過去数年来、自分はうつだ、と言い多数の診断書を提出して疾病手当で給与 の確保をしていた方がいました。私が顧問で着任してからカウンセリングが 始まり、今では元気に働いています。今までの数年間はなんだったのか、と 同僚達が言う位に健康を取り戻しています。彼がしみじみと語った言葉が今 でも忘れられません。「精神疾患、というと誰もが腫れ物にさわるように接 していく。その中で唯一藤井先生だけは、うつと思っているけれどもこの診 断書は別の疾病であること、その傾向と対策、そして自分がすべきことをガ ッチリ教えてくれた。こいつはただものではないと思い、その時から自分と 向き合ったんです」と。 *根本的なこころの有り様を変えていくのは、薬でもなく医者でもなくカウン セラーでもありません。あなたご自身なのです。私はあくまでもその手助け をするだけです。   *高い目標の仕事しか眼に入らなかった困ったさん達には、今のあなたにはく だらないことと思っていることでも、目の前にあるどんなにささいな仕事で も丁寧に何にも考えずにじっくり業務をしてみて、とお願いします。きっと 必ず誰かがどこかで見ているはずなのです。だから、自分が出来ることを、 今は着実にこなしてみて、と。 足元を固めて粛々と、黙々と仕事をしていくという姿勢の方には、その結果 としての嬉しいことが待っていると確信しています。 北風の中で、懸命につぼみをつけていた小さな小さなバラのように。 皆さんに写メールで、健気さのお裾分けをしますね。 (Webサイトにアップしてます) お身体ご自愛下さいますように。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━