━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     □■□ 昨年のデータから と 学会報告PART1 □■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━        毎年6月は、昨年のデータが発表される月間です。  今年もまた、過去最悪更新の結果でした。  * 昨年1年間の全国の自殺者数−32,325名     7年連続で3万人を超えた。    男性=23,272名    女性= 9,053名           (6/2警察庁発表)  * 仕事が原因で精神疾患を発症したとしての労災申請件数−524件     過去最多。    認定件数−130件     過去最多。            (6/17厚生労働省発表)  日々メンタルヘルスを普及推進している現場の当事者としては、あまりに  も厳しい現実を数字で突き付けられた思いでいます。  何としても自殺者の歯止めをかけなければ、との思いは、全ての関係者の  祈りにも似た心境だと思います。  本日も、午前中に職場で4名のカウンセリングの後、急いで宇都宮に戻り、  午後からは管理職対象のメンタルヘルスセミナーを実施させて頂きました。  最近ではもう既に来年3月までの予定が埋まっているものですからなかなか  日程が取れずに、午前午後とセミナーや面談の掛け持ちをして動いている現  状です。  どの職域の現場でも、精神疾患の社員を抱えた上司が、その方の職場復帰に  いろいろと苦慮されながら、プレイングマネージャーとして日頃の業務をこ  なしている、というのが実態です。  本当に毎日が大変な中で部下のマネージメントをされています。  そんな上司には頭が下がる思いが致します。それとは反対に、上司自身がス  トレス源で、それに本人が全く気がついてなく、周りの部下がメンタル不全  の精神疾患になっている方々も沢山いらっしゃいます。  組織のいろんな断面が浮き彫りにされる渦の中で、私は今自分に出来得る範  囲の事を、ひとつひとつ着実に遂行していこうと決めて日々の業務をしてい  ます。  先週末、日本産業精神保健学会に出席してきました。メインテーマに「生産  性と人間性」を掲げ、産業分野で職場におけるメンタルヘルスに関係してい   る医師・保健師・看護師等多職種で構成され、働く人のメンタルヘルスの保  持増進を図ることを目的とした学会です。  ・長期疾病休業者への精神医学的な理解と戦略−−難治性うつ病、統合失調   症、神経症、パーソナリティ障害、の各視点から   ・産業精神保健における外来森田療法的概念の活用  ・職場復帰支援−−業務遂行能力の回復が遅れているケースを中心に  等々、示唆に富んだ現場からの報告や調査内容がとても勉強になりました。  産業カウンセラーを取得した後の今の方が、はるかに学んでいるのが実感です。  現場での臨床を積めば積むほど、学会等に出て最新の情報を吸収し研鑚してい  く必要性を感じています。  来月には日本うつ病学会も開催されますので、又ご報告致します。  梅雨時で湿度も多く不快な天候が続きますが、  どうかお身体をご自愛なさって下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━