━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━           □■□ 睡眠 について □■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  少し間が空いてしまいました。実はこの1ケ月間に、ふたりの生きることに  疲れてしまった方からの最後の電話を受けました。そう、自殺未遂者の最後  の生きたい!というSOSの叫びが私の携帯に入ったのです。緊急の指示と  段取りをして、幸いにふたりとも一命は取り止めましたが、どちらも真夜中  のことでした。少し心配だな、少し不安定だな、と思った方には、勿論、外  来受診を指示して治療をスタートさせますが、と同時に万一の場合を想定し  て、必ず私自身の携帯NO.を教えます。  今回のコラムは、睡眠、寝るということについてです。こころが疲れていた  り、自身では気づかないストレスを身体が感じると、人は質と量において、  充分な睡眠が取れなくなります。カウンセリングの現場で、私が一番最初に  確認する事は、前回書いた食事のことと睡眠のことです。精神的に疲労、更  には過労状態になると、必ずといっていい程、睡眠障害がみられます。この  頃寝付きがどうも悪い→入眠困難と言いますが、大体1時間くらいで寝つけ  るのは正常範囲ですね。それが、2時間3時間経ってもなかなか寝つけない  日が、週に3〜4日あると、昼間の生活に支障が出てきます。又、この頃ち  ょこちょこ目が覚める→中途覚醒と言います。ひと晩に3回以上目が覚めて  しまって、時計の針が1時間毎に動くのがわかる、等々。更に、この頃何で  だか朝早く(4:00代頃)目が覚めてしまって、未だ早いからと思って寝  ていたいんだけど、今日やるべき事やあれこれ思うと又寝ができなくて、そ  のうち起床時間になってしまう→早朝覚醒といいます。大体、こころが過労  してくると、この3つの症状が出てきます。全部出てくる人もいれば、ひと  つふたつとさまざまですが、皆さん全く同じ症状を訴えます。  カウンセリングをしていると、人間にとって、眠る、ということは最重要事  項だとしみじみ思います。寝る=寝薬、でもあるのです。疲れきった脳を休  ませる、というとても大事なことなのです。が、実際にはぐっすり眠れた、  寝起きがすっきりした、という人は少数です。ご自身はどうですか。不眠の  症状はありませんか?もし、ひとつでも該当する事項があれば、今の自分は  精神疲労状態なんだな、と自覚して意識的に休息を取ったり、リラックスす  る方法を自分にしてあげて下さいね。この初期の不眠というSOSを感じれ  ば、真夜中の緊急SOSを私に発信することは、未然に防げるのです。  年間に1,200名位の方々のカウンセリングをしていると、痛切に「眠る」  という行為を丁寧に生活していかなくてはいけないな、と実感します。と同  時に、その人が病んでいるか病んでいないかは、夜眠れるか、眠れないか、  で極められると私は思います。どうぞ、質と量、どちらも良い眠りを大切に  丁寧に取って下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━