━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       ◇◆ メンタルヘルス対策は、リスクマネージメント ◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *6/20に事実上閉会した第186通常国会(1/24〜6/22)で、改正労働安全衛生法が成立  しました。ストレスチェック制度が創設され、従業員50人以上の事業所に対して  ストレスチェックが義務付けられます。    労働安全衛生法の改正なので企業の関心は高く、私の元には人事労務担当者から  様々な問合せが届いています。開業以来ストレスチェックを実施してきた実績から、  この度「ストレスチェック実施の留意点」として資料を作成しました。  HPの最新Topicsに添付しましたのでご参照下さい。 *メンタルヘルス対策は、今や最重要なリスクマネージメントです。  「情報漏えいを何とかしたい」  「技術流出に歯止めをかけたい」  「労災を0にしたい」  「フードディフェンスを強化したい」  そんな企業の切実な願いに確かに応える施策が“メンタルヘルス対策”なのです。   *私は『人事労務管理は、監視ではなく共感から』との信念があります。  会社や上司が、あまりにも社員ひとりひとりのことを知らなさ過ぎる!人を見てい  ない!と実感する場面を多く経験してきました。信頼関係ができていないのです。  社員が何でこんなに不満を持っているのかを知らない。何でこんなに辛い思いをし  ているのかを知らない。私には、目隠して人事労務管理をしているように映ります。    だから人は組織に不信を抱き、情報漏えいや技術流出をしてしまうのではないので  しょうか。もっともっと早く、社員ひとりひとりの不満や辛さをわかってあげて、  真摯に速やかに善処していたならばこんな大事にはならずに済んだのではないか、  と思う事例が沢山ありました。 *目の前の部下が、朝何時に起きて朝食は摂っているのかどうか、どんな生活をして  出社して来るのかを上司達は知らない。  ・深夜2:00頃までPCでブルーライトを浴び続け、朝はギリギリまで寝て朝食は当   然未摂食、だる重い身体を引きずるように出社してAMはボーっとした毎日。   ・母親の介護で夜中何度も起きて世話をしているから、ここ数年はぐっすり寝たこ   とがない生活。でも他の社員同様に残業をこなし疲労困憊状態。  ・退社したら急いで保育園に駆けつけ子供を迎えに行き、近くのスーパーで買出し   して、お腹がすいたと泣きわめく子供達をあやしながら夕飯を作り食べさせて   お風呂に入れ、深夜帰宅する夫に食事を用意し倒れこむように寝て翌朝出社。   こんな生活を、上司達は知らない。 *知っていれば心のこもった労いの一言が出るはずです。それが無い。  部下の生活での出来事へ共感はしても、本人の思いに共感をしていない。  そこに仕事での負荷や人間関係が入ってくるのです。  その結果、身体に不定愁訴が多発し自律神経失調症になり、抑うつ状態になって思  考抑制となり、それが労災に繋がり、やがて精神疾患を罹患していくのです。    メンタルヘルスケアが何故職場で重要なのか。  その医学的根拠は、脳の疲労である精神疲労が蓄積されると、思考抑制となり集中  力や判断力・思考能力が低下してくるからです。  すると、業務上のミスやケガ・事故が発生し、労災に直結するからです。  こういう精神疲労のメカニズムの研修教育を推進していきましょう、という時代に  なってきたのです。 *ストレスチェックの義務化法案である改正労働安全衛生法を受けて、社員のストレ  スの現状を把握し、メンタル不調に陥る前に対処して、職場環境を改善していくこ  とが当たり前となる時代がスタートします。  それは同時に、専門家として真価が問われる時代のスタートでもあります。  産業カウンセラーとして更に臨床を積み上げて尽力していきたい、と決意を新たに  しております。