━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       ■□■ 産業医・主治医のつぶやき、上司の思い ■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *謹賀新年。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。  厚生労働省は1/23、ストレスチェックを事業者に義務付けると発表しました。 (詳細はNews・関連情報を参照下さい。)  国のメンタルヘルス対策の充実と強化を受け、益々産業カウンセラーとしての真価が問  われる一年となります。産業保健現場の最前線で、しかと踏ん張って参ります。   *毎日接している産業医・主治医のつぶやき。 ・キャリアのある産業医達から、  「子供みたいに幼稚な社員に、どう指導したらいいのか。」  「親が指導すべき躾教育がされていないから、現代型うつが蔓延しているのではないか。   躾も産業医がしなくてはならないのか。」  「職場のうつはうつ病なのか?抑うつ状態はあるが、脆弱で常識に乏しい者が単に職場   で不適応になっているだけではないか。」  「非常勤で精神科医ではないので、専門外の対応に負担を感じる時もある。」 *法令改正に伴い、年々産業医の業務は増大しています。産業保健スタッフ同士の協力は  欠かすことはできません。私が行ったカウンセリング内容は、産業医へ書面で申送りを  実施し、年間の総括報告も行い情報共有をしております。 ・評判の良い主治医達から、  「毎日の外来は増加する患者で早朝7:30〜20:00まで診察。1日約70名の予約で1人   10分も取れればいい方で、月1,000〜1,300人になることもある。」  「限られた短い時間の中で、生活面や職場の様子まで聞くことは不可能に近い。」  「患者からの主観的な情報しか得られないので、客観的情報は皆無に等しい。」  「復職の判断については、患者の職場での細かい業務内容や人間関係はもちあわせてい   ないので、家庭生活を基準に病状が回復すれば復職可という大まかな判断を下すのが   精一杯だ。」   *今、精神科医や心療内科医は押し寄せてくる患者の診察で激務の日々を送っています。 誰がいつ倒れても不思議ではない位の過労状態でもあります。 私はカウンセリングした社員を専門医へ繋げる際には、開業時から必ず紹介状を作成し て本人へ持参させます。 職場での人間関係や業務内容・残業状態・上司からの評価、本人の生育歴や家庭環境、 不安な事項等々を記載して初診時に持っていくよう指導しています。 すると必ず、主治医から疾病名や処方箋内容を明記した報告書をいただきます。 この11年間で全国の多くの主治医とのネットワークができ、情報の共有で連携を取り 合いながら本人の経過を見守ることが出来ました。本当に有難いことです。    *また治療が始まり本人に何か変化があった場合には、私からその内容を記載した情報提 供書を作成し主治医へ提出しています。  中には職場や家庭での軽躁状態の申送りを行い、うつ病の診断書が躁うつ病へと変更さ れた事例も多々あります。連携が功を奏して、昨日も3人の躁うつ病の社員とカウンセ リングをしてきましたが、復職後も経過良好で仕事に従事しており安心しました。 情報を共有しながら連携を取っていくことは、診断の見直しにもなり早い回復に繋がる  と実感しています。 *新年の挨拶をいただいた役員・上司からのメール。  「社員はコストではなく資産である、という考え方のもと教育訓練をしていますが、   個人の資質あるいは性向等で思うに任せないことが多いと感じています。   やって見せて、言って聞かせて、させてみて・・・と丁寧に対応するのが役割と自身   に言って聞かせています。社員は生かして使えてこそ資産であると思います。   メンタルな要因で不調になっている社員が、生きいきと働けるようカウンセリング頂   ければ幸いです。」  「モノ造りは人が主役ですので、社員が安心して働けるような職場環境を築くことが、   管理者としての責任と考えております。私もできる限りの努力をしていきたいと思い   ますので、今後共ご指導よろしくお願い致します。」  「メンタル的な問題が、まさか自分の足元で現実の事になるとは夢にも思っていません   でした。今更ながら部下の管理の難しさを痛感いたしました。いろいろとご指導の方   宜しくお願いいたします。」 上司達の切なる思いを、社員の皆様へ届けていけるよう日々努力していきたいと思 います。 *そして、昨年顧問先役員から頂いたメール。  「社内外、すべての関わりあいのある人に対し、   期待以上のことができるよう精進致します。   プロフェッショナル目指して。」  これが私の年頭決意です。何卒宜しくお願い申し上げます。